筋トレ動画とか見てると「フルレンジが大事」「フルレンジが~」ってよく耳にするけど、あれはどゆ意味?目いっぱい可動域を取ってウエイトを動かせば良いってこと?
こんにちはカイです!
筋トレ歴は10年ほどで、コンテストでの優勝経験あり。
確かに一般的に、効果的な筋トレを行うには「可動域は広く取れ!」とよく言われたりします。
ですが実はフルレンジの意味を適切に理解しておかないと、逆効果な場合も!?
以下の内容を踏まえて適切なフルレンジを意識することで、あなたの筋トレはより安全かつ効果的なものになります。
※関連:筋トレフォームが大事な2つの理由【めちゃくちゃだと意味ない?】
フルレンジとは?【筋トレはただ最大に動かせば良いわけではない】
結論、筋トレにおけるフルレンジとは「対象筋への負荷が抜けない範囲での最大の可動域」「フォームが崩れない範囲での動作」と認識しておくことが適切です。
言い換えると、「関節はまだ動かせるけど筋肉から負荷が抜ける」という域はフルレンジとしません。
よくフルレンジを「関節の最大可動域」として体が動く最大限の範囲を設定する方がいますが、それでは筋肉ではなく関節に負荷がかかりケガにつながることもあります。
(例えば、バーベルカールで完全に肘が伸びきったところから完全に曲げ切るところまでで動作したり。)
他には、狙った筋肉を過度に動かすために他の部位でその過度な動きを補わざるえないフォームになり、これまたケガのリスクが発生。
(スクワットで過度にしゃがめば骨格によっては腰を曲げざるをえなくなりケガにつながったり。デッドリフトでも骨格によっては適切なフルレンジを理解しておかないと効率的な挙上ができないことも。)
ですから「筋トレで言うフルレンジ≠関節の最大可動域」ということは1つ理解しておいてください。
といった前提を踏まえて、フルレンジとパーシャルレンジ(制限した可動域)のどちらが筋肥大には効果的なのか?
筋トレはフルレンジか?パーシャルレンジか?
フルレンジVSパーシャルレンジに関しては、以下の内容での研究があったりします。
- 上腕二頭筋のプリーチャーカールでの研究
- ショートレンジはマシンの半分での可動域(下げ過ぎず上げ過ぎず)
- 重量はフルレンジよりもパーシャルレンジの方が重い
- セット数は2セットから4セットに期間と共に増加させた
- レップ数は20回から8回に期間と共に減少させた
- 重量はレップ数に伴ってヘビーに(回数を減らせば重量を上げる)
- トレーニング期間は10週間
(参考:Pinto RS, 2012、Effect of range of motion on muscle strength and thickness)
結果は以下のとおり。
- フルレンジの方は1RMが27.5%アップ
- ショートレンジの方は1RMが16%アップ
- サイズはフルレンジの方は9.5%アップ
&ショートレンジは7.3%アップ
というわけでフルレンジとショートレンジで筋肉のサイズアップに関しては、明らかな差を示すほどの結果は得られませんでした。
またフルレンジでもショートレンジでもどちらも筋肉は成長するのはするということもわかります。
ですがパワーに関しては、明らかにフルレンジの方が増加。
よくある例だと、いくら高重量なレッグプレスでも可動域が5㎝とかだと筋肥大には適さないということ。
それならある程度の重量で可動域を広くとる方が筋肥大への効果は大きくなります。
苦手部位はトレが下手だから発達が遅れるかと。だから何でもかんでもフルレンジでやるのでなく、収縮メイン、ストレッチメイン、チーティングでネガティブだけ耐える、とか可動域を分けたり刺激の入れ方に波をつけるのが良かったりする。常に負荷をかけれるならそれで良いができないからこそ分けよう🙆♂️
— カイ@筋トレ (@FITNESSFREAK714) November 25, 2019
常にフルレンジだけのトレーニングに固執する必要はありません。
ときにパーシャルでもOK。
筋トレのフルレンジは関節の最大可動域ではない:まとめ
上記が、筋トレにおけるフルレンジの正しい捉え方です。
ジムでよく見かけるNG動作の代表的なものが、高重量を扱いつつ極端に可動域の狭い動作。
もちろん何かしらの意図があるなら問題ないですが、特に意味なく可動域を狭めるぐらいなら、扱うウエイトを見直し可動域を広く取る方が筋肉への刺激は強くなり筋肥大にも効果的でしょう。
筋トレはあくまで筋肉の伸縮に負荷をかける行為。
その上でパーシャルレンジなども取り入れ、より狙った筋肉に様々かつ強い刺激を与えていけば自ずと筋肉はついてきます。
(以下図の赤が関節の最大可動域で青がフルレンジ、黄がパーシャルレンジのイメージ↓)
以上フルレンジとは?【筋トレはただ最大に動かせば良いわけではない】でした。