あなたは「全身のパンプアップはSEXより心地いい」といった、あのアーノルドシュワルツェネッガー氏の言葉をご存じでしょうか?
確かに筋トレをして筋肉がパンパンに張った状態は、自分の未来の姿を見ているような感覚もあり気持ち良いものです。
とはいえ、なぜ筋トレすると筋肉がパンパンになったり、はたまた日によっていまいちパンプしないこともあるのでしょうか?
加えて、なぜ「パンプだけでは意味ない」なんて言われることもあるのでしょうか?
今回はそんな疑問を持つあなたへの記事になります。
こんにちはカイです!筋トレ歴は10年ほどで、コンテストでの優勝経験あり。
そんなわけで週に何度もジムに行き筋肉をパンプアップさせてます。
本記事でパンプアップについて適切に理解することで、より効果的な筋トレを行うきっかけになります。
※関連:筋トレは限界までやらない?【追い込むと逆効果な3つのパターン】
パンプアップとは筋肉が一時的に水分や血流を引き込んだ状態
結論として、筋肉がパンプアップした状態は「筋肉に一時的に血流や水分が多く流れ込み膨らんだ状態」です。
通常、筋肉は動かすとエネルギーを消費します。すると筋肉の中で乳酸や二酸化炭素といったいわゆる老廃物が発生。
次に筋肉はこれらの不必要なモノを外に出すために、血液を多く取り込もうとします。ですが筋肉の中にはすでに老廃物が多く浸透圧が高い状態。
(濃度が濃い状態。)
とはいえこのままでは筋肉を正常に機能させることが難しくなってくるので、体は一時的に濃くなった濃度を下げようと筋肉内に血漿を取り込みます。
(血漿とは血液の約半分を占める水分やタンパク質から成る液体状のもの。)
すると必然的に、筋肉の中の水分の量が多くなり膨れ上がるというわけ。
簡単に言うと以下のとおり↓
- 筋トレする
- 筋肉に老廃物がたまる
- 濃度を下げようと筋肉に血液が集中
- パンプする(筋肉が膨れあがる)
(ゆえにパンプアップは長くても筋トレ後30分ほど持続し次第に元通りに。徐々に疲労物質の濃度も低下していくので。なのでもちろん翌日には筋肉のサイズは以前と変わらずの状態に。)
といったようなパンプの仕組みから、パンプを引き起こすのに欠かせない条件は次のとおり。
筋肉がパンプしない際に見直したいポイント
筋肉に水分を引き込むことでパンプは促されるので、そもそも水分が不足している状態ではパンプしづらいことに。
なので特に筋トレ前から筋トレ中にかけて水分を補給することをお忘れなく。
目安としては筋トレ1時間あたり約1L。
筋肉をパンプさせるには何といっても、まず筋トレをして筋肉を収縮させる必要があります。
この筋肉が収縮する際に「ナトリウム」が欠かせません。
通常ナトリウムは細胞外にありカリウムは細胞内に存在。
筋肉を収縮させる際は、脳から「どこどこの筋肉を動かせ」という指令が行き筋トレの動作に至ります。
その指令を送るにあたって、ナトリウムとカリウムが細胞内外で入れ替わりバランスが崩れ、電気を帯びることが必要になります。
するとその際に発生した電気の連鎖が脳から筋肉への指令となり、筋肉が収縮するつまりウエイトが持ち上がることに。
ゆえにナトリウムが不足すると、筋肉の収縮が弱くなりパンプの減少にもつながることが考えられます。
特に夏場などは汗と共にナトリウムが自然と外に出て不足しがちなので、筋トレ前や中に塩分を補給するのもパンプを促す1つの方法。
具体的には水1Lに対して、食塩1gから2gほどで問題ないと考えられます。
ちなみにWHO(世界保健機関)は1日の食塩の摂取目標は5gとしているのに対して、日本人の平均摂取量は10gほどとなっています。
なので基本的には通常の食事をしていれば、塩分が不足することはそうないとも考えられるので、夏場とかでない限り筋トレ中のドリンクに塩分は必須とまではいかないですかね。
とまあそんな筋トレ時におこるパンプアップですが、筋肥大とどう関係があるのか?
パンプアップは必ずしも筋肥大(バルクアップ)を意味しない
そんなパンプアップですが、パンプしたからといって筋肉が大きくなる(バルクアップする)とは言い切れません。
例えば、腕立て伏せを20回3セット(やや余力を残す)しても、ベンチプレスを10回3セット(力を出し切る)してもどちらもそれなりに胸や腕の筋肉がパンプしますよね?
ですが筋肥大で大事なのが、パンプアップよりも「筋肉への負荷がより強いかどうか」。
ただパンプアップさせるだけでは、狙った筋肉に対して強い刺激を与えられているとは限りません。
よく「張ったわー(パンプした)」と言う方がいますが、パンプアップしただけでは筋肉が成長するとは限らないことだけは覚えておいてください。
とはいえ、パンプアップを目的とした高回数のトレーニングでも筋肉を合成するホルモンが分泌させるので、筋肥大に意味がないわけではありません。いわゆる化学的刺激。
ここで大事なのが「重量設定」。
あくまで多くても1セット20回あたりで限界になるような、強い負荷で動作するのが基本。
(パンプに特化しない場合は8回あたりで限界のウエイトが一般的。)
またパンプアップは疲労がたまるほどその筋肉を刺激しないと起こりませんので、普段のトレーニングできちんと狙った筋肉に負荷をかけれているかの確認にもなります。
例えば、サイドレイズで僧帽筋ばかりパンプしては、肩の筋肉がうまく狙えてないといったように。
なので言い換えると、筋トレで狙った筋肉に強い刺激を与えられると100%パンプするので、仮にそうでないならあまり効果的な筋トレができてないとも言えます。
ではそんなパンプを起こしやすいテクニックをサクッと解説。
パンプに効果的なやり方
パンプは筋肉をきちんと収縮させることで起こると言いました。
ですが3回とかしか動作できない重たいウエイトを扱うと、きちんと筋肉を縮めることが難しかったりします。
そこでやや軽いウエイトで20回ほどで限界になる負荷で動作すると、ウエイトをコントロールしやすく筋肉を縮めて伸ばしてしやすくなることに。
となるとパンプも促されやすくなります。
イメージとしては自転車の空気入れ。ポンポンと一定のリズムで筋肉に刺激(空気)を入れていく感じです。
すでに触れたように、パンプは血流と関係。
ですから以下のようなプレワークアウトサプリを使うことで、血管を拡張させパンプを引き出すのも1つの手段にはなります。
ウエイトトレーニングは基本的に、コンパウンド種目(BIG3)と、アイソレート種目(サイドレイズ、ペックフライ)に分けることができます。
コンパウンド種目では関節がいくつか関与するのに対して、アイソレート種目は1つの関節しか関与しません。
それゆえいきなりコンパウンド種目から始めると、筋トレ初心者などの場合うまく狙った筋肉に効かすことができずパンプしにくいことに。
そんな時にアイソレート種目から始めると、先ほど同様に収縮を意識しやすくパンプしやすいです。
またパンプした状態でコンパウンド種目に移っていくと、より筋肉を使ってる感覚を掴みやすくこれまたパンプしやすくなります。
ちなみに筆者も上記のポイントを取り入れて行うことも↓
腕ッ
・ダンベルカール片手
12-15回3セット
・バーベルカール
5回3セット
・スカルクラシャ
15回3セット
・ケーブルEX
8回3セット
・リバースカール
20回3セット
・前腕
チネチネと1種目目を高回数でやってパンパンにしてから、2種目目に高重量を振り回すと、気持ち良くなるのでお試しあれ🤪 pic.twitter.com/94KM0MtfBP
— カイ@筋トレ (@FITNESSFREAK714) December 20, 2020
最後に余談ですが、あのシュワちゃんが言うように「あとにしてくれ、パンプが冷めちまう」とならないように、だらだらトレーニングしないことが筋肥大のコツでもあります。
筋肥大を最大化するにはパンプさせるだけじゃ意味ない:まとめ
上記が、筋トレすると起こるパンプの原因と筋肥大との関係です。
パンプは筋肥大にとって必要とされる「化学的刺激」。
狙った筋肉の中に乳酸などの代謝物をためてストレスを与えることで、成長ホルモンなどの分泌を活発にし、その結果として筋肥大を促すための刺激。
ですから本記事の内容を押さえた上で、パンプメインの種目や高重量メインの種目といった意図を持って筋トレすることが筋肉をつけるには効果的です。
またうまくパンプしないのであれば、栄養管理に目を向けたり筋トレの効きを見直すことが必要。
以上パンプアップは意味ない?【仕組みと筋肥大との関係】でした。