
ハーフデッドリフトと通常のデッドリフトは何が違うん?効く場所が異なるとか?ハーフの方が高重量でできるから好きなんやけど「意味ない」って言ってる人もいたりするし。。
という疑問を持つあなたへの記事になります。

こんにちはカイです!筋トレ歴は10年ほどで、コンテストでの優勝経験あり。
そんなわけで以下ツイートにもあるように、今までハーフデッドリフトも通常のデッドリフトも両方やり込んできました。
背中トレ完
・デッドリフト
→5回3セット
・ハンマーラット
→10-15回3セット
・ラットプル逆手
→8回ぐらい3セット
・ダンベルロウ
→8-12回3セットデッドリフトはおもろい。現場からは以上。押忍。 pic.twitter.com/iyU8xAPPXS
— カイ@筋トレ (@FITNESSFREAK714) December 19, 2020
また最近の筋トレ界隈は「効かせる」などといった言葉が流行ってるのもあり、ハーフデッドの方が床引きデッドより行われているようにも感じます。
そこで今回は、「デッドリフトをハーフ(ラックプルやトップサイドデッドリフトなんて言われることも)でやるとどうなるのか?」について解説。
以下の内容を理解することで、あなたにとってより適切なデッドリフトのやり方が見つかるきっかけになるかと思います。
ちなみにデッドリフトの基本フォームは【図解】デッドリフトのフォームが難しいと感じるあなたは必見で解説済。
ハーフデッドリフトと床引きデッドリフトの2つの違い
結論として、ハーフデッドリフトと通常の床引きデッドリフトの主な違いは以下のとおり。
- 扱える重量の差
- 働きやすい筋肉の差
では順に解説していきます。
ハーフデッドの方が高重量を持ちやすい
ハーフデッドリフトと床引きデッドリフトの違いとして、1つ目に扱える重量の差が大きいかと思います。
ハーフデッドリフトでは基本的に膝あたり(膝下)にバーをセットして動作していきます。
となるとウエイトを支える際の支点となる股関節とバーの距離が、床引きデッドリフトに比べて近くなることに。
(↑左が床引き、右がハーフ)
例えば、サイドレイズをするとして腕を肩の高さまで挙げることができるウエイトと、腕を45°ぐらいまでしか挙げないパターンだと、もちろん後者の方がより重たいウエイトを扱えるでしょう。
そう、支点(肩)とウエイトの距離が短くなれば、それに比例してより高重量を扱うことができます。

そんなわけで、ハーフデッドリフトの方が床引きデッドリフトに比べてより高重量を扱うことは可能。
高重量を扱うことはもちろん筋肥大には必要です。そういった意味で、ハーフデッドリフトが背中や下半身の筋肉の成長を改善するきっかけの1つになることも考えられます。
とはいえ、一概に「高重量=高負荷」とは限らないのもまた事実。
ですから個人的には、「ハーフデッドリフトでは床引きデッドリフトでは持てない重量に挑戦することができる」程度に捉えておくのが良いかと。
重量自体に過度な筋肥大への期待を持たないと言いますか。(以下ツイートにもあるように↓)
扱う重量が重すぎる→コントロールできへん→効かへん→デカくならへん→軽くしたら筋肉落ちる気する→不適切なフォームを継続→ケガ。
軽いウエイトで筋トレすれば良いわけやないけど、筋肉を動かしてる感覚すらない高重量は筋肥大に不向きかも。
— カイ@筋トレ (@FITNESSFREAK714) January 5, 2022
上記が原因で、デッドリフトが腰にくる原因でも解説してるように、腰をケガすることもありますし。
床引きデッドリフトは下半身が働きやすい

床引きデッドリフトは基本的に股関節を中心に動かしていくので、主にお尻やハムストリングスを使いやすい種目になります。
加えて、姿勢の保持や体幹を起こす過程で背中の筋肉(特に脊柱起立筋や僧帽筋、加えて広背筋)も働くことに。
ではハーフデッドリフトはどうか?
先ほど触れたように、ハーフデッドリフトでは床引きデッドリフトに比べて、すでに上体が立ち気味の状態でスタートする形になります。
となると床引きデッドリフトに比べて、股関節を開く動作が弱くなります。その結果として、ハムストリングスやお尻の筋肉をそこまで動員せずに動作することが可能。
(加えて床引きデッドだと初めの膝を開く際に働く大腿四頭筋も、ハーフデッドだと働かせる必要が少ない。ハーフデッドだと膝もすでに開き気味な状態から始まるので)
このような違いを踏まえて、デッドリフトはどうするのが良いのか?
※補足:ハーフデッドは通常のデッドリフトより可動域が狭くなるので、股関節を中心に体を動かすいわゆるヒップヒンジがうまくできない際に、安全に練習するための1つのやり方として取り入れるのもあり。
ハーフデッドリフトは意味ない?どこに効く?僧帽筋?
上記のような違いから、下半身も背中も両方の筋肉を刺激してしまう床引きデッドリフトは、分割法を取り入れているならルーティン的に取り入れにくいからハーフデッドリフトを優先する場合があるかもです。
もちろんそれはそれで問題ありません。デッドリフトでできる限り、背中の筋肉をメインに刺激したいならそれもあり。

ですが、個人的にはハーフデッドリフトはどっちつかずな気もします。
というのも、ハーフデッドリフトと言えどハムストリングスやお尻への刺激は少なからず入るし、脊柱起立筋などをメインに狙うには可動域が狭いと思われます。
床引きデッドリフトの可動域で脊柱起立筋などから負荷が抜けることがあるなら、ハーフデッドリフトで常に負荷がかかる位置で行うのも効果的。
ですが床引きで脊柱起立筋から負荷が抜けることはないので、わざわざ可動域を狭める必要もないと考えられます。
そんなわけで、腰やお尻の筋肉などに特に問題がないのであれば、床引きデッドリフトの方が効果的と思われます。
確かに床引きデッドリフトは腰への負担もかかる種目ですが、適切なフォームで動作すれば問題ありませんし。
もちろんあなたの骨格によっては床引きがベターと言えない場合もあるので、その際はハーフデッドリフトでもOK。なんなら無理にデッドリフトをする必要もなかったりするかもです。
⇒デッドリフトは必要ないのか?【筋トレ歴10年の筆者が思うその必要性】
補足1:変形デッドリフトについて
そんなハーフデッドやさらに可動域を狭くしたトップサイドデッドリフトで「胸椎のみを曲げる」特殊なフォームも存在します。
そうすることで広背筋や僧帽筋の動きが大きくなり、より背中の筋肉のみに焦点を当てることも可能だったり。(有名な所だとボディビルダーの合戸選手やフィジークの寺島選手がやってます)
ですが初心者は胸椎ではなく腰を曲げてしまい、ケガするリスクがかなり高いので注意が必要です。まずは脚も背中も全身を使い挙げるフォームで問題ありません。
補足2:デッドリフトはアイソメトリック収縮
デッドリフトはハーフであれ床引きであれ、基本的に脊柱起立筋や広背筋や僧帽筋は「アイソメトリック収縮する形」になります。
アイソメトリック収縮では通常のコンセントリック収縮などと違って、筋肉が伸び縮みしないゆえ刺激が弱く一般的に筋肥大には不向きとされます。
なので脊柱起立筋や僧帽筋を鍛えたいなら、やはりバックエクステンションやDYロウなどロウ系の種目が必要と考えられます。他には、先ほどの変形フォームで行うか。
加えて以下ツイートにもあるように、腰を反っても特に意味はないので注意↓
「収縮感=効き」は必ずしも成立せんと思う。
確かにデッドリフトで挙げてきて上体を反ったら起立筋に収縮感はある。でも重力に逆らってないがゆえあくまで「感」かと。それに腰椎を圧迫してケガにつながることも。起立筋に良い意味での収縮感が欲しい時はバックエクステンションとかが良いと思います
— カイ@筋トレ (@FITNESSFREAK714) September 16, 2021

そういった理由から、人によってはデッドリフトは背中の種目ではなく脚の種目と定義するにも至ります。
まとめ:ハーフデッドリフトはバリエーションの1つで意味なくはない
上記の内容が、床引きデッドリフトとハーフデッドリフトの主な違いになります。
広背筋や僧帽筋の筋肥大のためであれば、アイソメトリックなデッドリフトだけでは不十分かと。やはりチンニングやベントオーバーロウといった種目が必要。
また「ハーフデッドリフトやトップサイドデッドリフトは意味ない」などと言われることもありますが、個人的には意味がないとまではいかないかと。
床引きデッドリフトがしっくりこない時や、毎回の床引きデッドリフトに体が慣れてきた時などの変化の1つには使えるといったイメージでも。
そんなわけでデッドリフトをするなら、まずは床引きから練習していく方が効果的と思われます。
以上ハーフデッドリフトは効果ない?意味ない?【床引きデッドとの2つの違い】でした。