
デッドリフトの基本フォームが知りたいなあ
というあなたへの記事になります。
こんにちはカイです!
筋トレ歴は10年ほどで、コンテストでの優勝経験あり。
(※僕の現在の体はTwitterでチェックできます😉)
そんなわけでもちろんデッドリフトも、筋トレを始めた頃から今も行っています。
✔そこで今回は、デッドリフトがよくわからないあなたに「ひとまず押さえておきたいデッドリフトのポイントと行う際の注意点」を解説。
本記事を読むことで、デッドリフトの基本フォームとケガ予防の方法などが理解できるので、より安全かつ効果的なデッドリフトが可能になります。
では詳しくみていきましょう。
【完全版】デッドリフトのフォームを徹底解説【もう腰が痛くならない】
結論として、デッドリフトの基本フォームは以下のポイントを意識していけば完成します。
✅足幅
✅手幅
✅スタートの姿勢
✅力の入れ方
では順に解説していきます。
デッドリフトの足幅について
そもそもデッドリフトには主に以下の2つのバリエーションが存在。
・スモウスタンスデッドリフト
(ワイドデッドリフト)
・コンベンショナルデッドリフト
(ナローデッドリフト)
(※どちらが効果的とかの話ではない。目的や骨格によって向き不向きがあるだけで。)
ですが今回は、多くのトレーニーがなじみ深いであろうコンベンショナルデッドリフト(ナローデッドリフト)を基本に話を進めていきます。
いわゆるお尻やハムストリングス、背中の筋群などを働かせやすい形。
(ワイドデッドリフトは四頭筋を使いやすく腰への負担が少なく、より高重量が扱える場合が多いので、競技としてデッドリフトを行う方がよく採用。)
そんなデッドリフトを行う際はまず足幅の決定からです。

足幅は基本的には、骨盤幅から肩幅の間でやりやすい幅で問題ありません。
足幅が過度に広いスタイル(スモウデッドリフト)だとお尻やハムストリングスが働きづらく、脚の前側である大腿四頭筋がメインに働くことに。
✔ですから脚裏や背中の筋群を狙いたいのであれば、足幅は狭めのコンベンショナルデッドリフトを行うのが吉。
加えて、足幅に関してですが、その場でジャンプしより高い地点に到達できた足幅がデッドリフトには適している、なんて言われたりもするのでそちらを試してみるのもあり。
(垂直方向に力を発揮するのに自然な幅であるから)
そんなわけで足幅が決まれば次につま先の向き。

つま先はまっすぐか10°ほど外を向けるかのどちらかでオッケー。
つま先をやや外に向けた方が、股関節からしゃがみやすく動作しやすいことがあるので試してみてやりやすい方を選択してください。
デッドリフトの手幅について
足幅を決めてバーの後ろに立てば次に手幅を決めていきます。

手幅はシンプルにスネの隣。肩幅か肩幅より拳1つ広いぐらいにしましょう。
手幅が広すぎるとバーの移動距離(可動域)が無駄に長くなり、効率的な動作が困難になります。
また広背筋が働きにくく、ウエイトを効率的に挙上するために、バーを体に引き付けておく際の力の入れ方にも不向き。
(のち詳しく解説)
※参考:握力が持たない場合は、リストストラップを使うのが基本↓

デッドリフトのスタート時の姿勢について
足幅と手幅の目安が決まれば、いよいよ動きの部分に入っていきます。
下の図を見るとイメージしやすいかと思いますが、頭と膝のちょうど真ん中ぐらいに股関節(お尻)が来るのが理想的ではあります。
仮に、上半身がもっと前に傾きお尻が高い位置にあると、大腿四頭筋の力で踏ん張りにくくバーの挙げ初めで背中や股関節にかかる負荷が強く、場合によっては腰が曲がりケガすることも。
逆に、上半身の傾きが浅くお尻が低い位置にあると、股関節周りの力(お尻やハムストリングス)が働きにくく、大腿四頭筋の力が発揮されやすくなります。
これではデッドリフトをしてるつもりでも、バーを下に持った形でのスクワットと同じような動きになってしまいます汗っ。
(ダンベルスクワットのイメージ)
✔そういった意味で、ひとまず頭と膝の間にお尻がくる姿勢を意識してみるのが良いかと。
加えて、広背筋に力が入ることで腰の圧力が高まり体幹が安定し、腰が丸まるのを避けケガを防ぐことにもつながります。

この際、広背筋と広背筋がつながってる上腕の角度(脇の角度)が90°だと最も広背筋が力を発揮することが可能。
ですからバーの真上よりやや肩が前に出た位置で、引き始めるのがおススメではあります。
(下図参考に)
加えて、腰の圧力を高めると同時に腹圧を高めるのも忘れないように。
※参考:腹圧のかけ方は、以下の記事で解説してます↓。

デッドリフトの力の入れ方について
デッドリフトのスタートポジションが作れたら実際にバーを挙げていきます!
まず重心ですが、基本的には足裏の真ん中でバランスを取り続ける形が良しとされています。
仮につま先の方に体重が乗ってるとバーを真上ではなく、少し体に引き付ける動作をしなくてはならず無駄に力を必要とすることに。
(これでは高重量を持つのに適さない)
また逆に、かかとの方に重心が大きくかかってると、バーの引き初めで足が踏ん張りにくく股関節周りに過度な負担がかかることも。

そういった意味で、重心は常に土踏まずにあるようなイメージが良いかと思います。
ではやっとバーを引き挙げます。
(やっとかい!笑)
その2段階は以下のとおり。
✔膝下まで(左の図)
⇒上記に沿ってバーを握るまでのスタートポジションができたら、まずはバーを「引く」とかではなくそのままの姿勢で膝を伸ばしていきます。
太ももの前側で踏ん張るイメージ。

この時は出来る限り、上半身の角度は変えずに保っておくのが吉。焦って初めから上半身を反るように挙げると、腰回りへの負担が強くケガにつながることも。
✔膝上から直立まで(真ん中から右の図)
⇒膝下までバーが来るといよいよ上半身を開いていきます。お尻を前方に突き出すようにして、体をまっすぐの状態に持っていくのです。
ここで過度に体を後ろに反らせるパターンを見かけますが、特に背中の筋肉やお尻の筋肉への負荷が増すわけではないのでやめておくのが吉。
むしろ腰に負担がかかりケガのリスクが出てきます汗っ。
直立したら、お尻を引きつつバーを体に沿わせるように下していきます。そしてまた先ほどのスタートポジションを作って引き挙げてを繰り返していけばオッケー。

とまあここまで書いたのですが、上記の内容は胴や太ももの長さによってやや変わってきます。
デッドリフトのフォームは人それぞれ
結論として、上記のようなデッドリフトの基本フォームはあるものの、誰しも上記の内容が当てはまるわけではありません。
体のサイズ感が違うのに、みな同じフォームなんてことはありません。
またこれはデッドリフトに限らず、スクワットやベンチプレスにも言える話。
スクワットならしゃがみの深さベンチプレスなら脇の開き具合などは人によって無理なく動かせる範囲を探していく必要があります。

オリジナルを探さずにスクワットは「フルスクワットが絶対」などとしてると、関節への負担が強くなりケガにつながることもあるのでそこだけは注意してください。
話を戻しまして、今回は以下の3パターンの人でデッドリフトの動きの違いを考えてみようと思います。
・Aさんは、胴も太ももも一般的な範囲
・Bさんは、太ももが長く胴が短く
・Cさんは、胴が長く太ももが短い
Bさんは、Aさんに比べて太ももが長い分そもそもの腰位置が高くなります。
いわば初めから膝が開いた状態。
となると先ほど「力の入れ方」で書いた、膝下までは膝を伸ばして大腿四頭筋で踏ん張るといった動作が困難になります。
(そもそもスタートポジションで膝が伸び気味なのでそれ以上は伸ばしにくい。関節は曲がるから開く。)
挙げ初めで、背中や股関節周りの力をフルに動員する必要がありそれらの部位への負担が大きくなることが考えられます。

ですから、必ずしも床からバーを引くのが効果的とは言えないことも。
次にCさんの場合。
Cさんは太ももが短いので、その分AさんやBさんよりお尻の位置がバーに近づきます。
ですが胴が長いので手を伸ばしてもバーに届きにくく、お尻を下げ上半身は立て気味でせざるを得ない状態に。
その結果として、膝がバーより前に出ることも考えられます。
となるとバーを垂直に動かし出来る限り無駄な力を使わない、といったフォームが実現できないことに。
(バーがスネに当たるのでバーが前後しつつ挙げる形になる)

ですからCさんの場合は、バーを挙げるという行為に関して、冒頭で少し触れましたワイドスタンス(スモウデッドリフト)の方が効率良く動作できるでしょう。
といったようにいくつかの要素は当てはまっても「絶対」なフォームがないのが筋トレ!
ですからデッドリフトをするにしても、何のためにするのかを考えることも必要かと思います。
となった時に可動域を変えたり、はたまたバックエクステンションやグルートハムレイズといった種目で起立筋やハムストリングスを刺激したりする必要はあります。
わざわざかなりのケガのリスクを負ってまで、床引きのデッドリフトにこだわることはありません。
(もちろん上記の点を意識して取り組んでいけばケガのリスクはそれなりに下げることは可能)
✔そんなわけで仮にあなたが前半で書いたスタートポジションの姿勢をとった時に、過度にお尻の位置が高くなったり膝がバーより前に出るようなら、無理に扱う重量を伸ばしていくよりも足幅を広げたり上記の基本フォームとはやや異なるスタイルを取り入れるのが良いかとは思います。
そんなわけで次に、デッドリフトで起こりうるケガの原因とその改善策について解説していきます。
デッドリフトで起こりうるケガについて【腰が痛い原因】
結論として、デッドリフトで最もと言っていいほど多いケガはそう、「腰の痛み」です汗っ。
上記の基本フォームからもわかるように、デッドリフトは基本的にお尻やハムストリングスの力がメインに働く種目。
(股関節の伸展がメイン「脚を股関節から後ろに振り上げる動き」)
なのにも関わらず、なんで腰が痛くなるのか?
腰が痛くなる要因に、腰が丸まり腰椎が圧迫されるなどがあります。
ひどい場合だと、椎間板ヘルニアやぎっくり腰が頻繁に起こってしまうことも汗っ。
ここで多くの場合は、腰が丸まるのは背中の筋力つまり広背筋や脊柱起立筋が弱いからだとと考えがちです。

そのためハーフデッドリフト(膝下から引きあげるデッドリフト)などで、脊柱起立筋を強化して体幹を強くしようとするかと思います。
確かに腰が曲がる理由に、それら背中の筋肉が弱いことが要因かもしれません。
ですが、決して軽視してはいけないポイントがあります。
それはお尻やハムストリングスの強化です。
ここで例え話を1つ。
例えば、ダンベルフライをやるとして肘を90°ほど曲げて行うのと肘が伸びきる手前まで伸ばして行うのとではどちらの方が胸に負荷を感じるでしょうか?
おそらく後者なはずです。
(二頭筋がきついとかは無視した上での話)
これはモーメントアームと言って、支点からウエイトの重力線までの距離の話が関係してきます。
モーメントアームが長ければ長いほど、ウエイトを動かすのにより大きな力が必要になります。
サイドレイズでめちゃめちゃ重たいウエイトを使うと、肘を曲げ体に近い位置でレイズしようとするはずです。
これは腕を伸ばしてモーメントアームが大きくなると、それだけウエイトを動かすのに力が必要になり、でもそんな筋力はないから腕を曲げ体に近づけモーメントアームを短くすることで少しでも楽に動かそうと体が働くからです。
↑左手がモーメントアーム長く、右手がモーメントアーム短い
(これが腕を伸ばしたレイズだと3キロほどが限界でも、肘を曲げて体に近い位置でのレイズなら10キロほどでできちゃうわけ。もちろん過度なウエイトを持つとフォームが崩れモーメントアームどうこうではなくなるのでそこは注意するのが良いかとは思いますが。)

やや話が膨らみましたが、じゃあデッドリフトにおいてモーメントアームがどう関係するのか?
前半で解説した基本フォームを例に進めていきます。
ここまで何度か言ってるように、デッドリフトは股関節の伸展に主に大きな負荷がかかる種目。
それもそうです、下の図を見つつモーメントアームの考え方を思い出すとイメージできるのではないでしょうか?
バー(力点)と股関節(支点)が最も離れてますよね。(左図)
ではここで仮に腰が曲がった状態を見てみましょう。(右図)
通常のデッドリフトに比べて、モーメントアームが小さくなりましたよね?
ということは(先ほどのダンベルフライやサイドレイズの時のように)支点(股関節)への負荷は弱くなります。
そうです、デッドリフトで腰が曲がる原因には、「股関節を伸展させる力が弱い」というのが存在。
ですからデッドリフトでのケガを防ぐには、スクワットやブルガリアンスクワット、スティフレッグドデッドリフトなどの種目で股関節(お尻やハムストリングス)を強化することが欠かせないのです!
そうすることで股関節で負荷に耐えることができ、モーメントアームを無理に小さくすることでバーを無理やり挙げようとせずに済み、腰を曲げずに動作することが可能になっていきます。
(「スタートの姿勢」で触れた、肩がバーよりやや前に位置するのは広背筋を使いやすくするのと同時に、バーと股関節の距離を縮め少しでも股関節周りへの負担を軽減し、より重たいウエイトを挙げれるようにする狙いもある)

といったように、デッドリフトで腰をケガするのは確かにフォームに原因があるのですが、そもそも適切なフォームを維持するための筋力が備わってない場合もあることを覚えておいてください。
(まあやや重量を軽くして徐々に増やしていけば、未然に防げる話でもありますが)
上記は、股関節の周りの筋力不足が原因で起こる腰の曲がりからの腰のケガ。
✔ですが、加えてデッドリフトで腰が曲がりケガする理由には「ヒップヒンジ」の動きがうまくできてないこともあります。
ヒップヒンジとは言い換えると、股関節を蝶番的に動かすこと。
こと筋トレでは、ヒップヒンジとは「股関節を支点に動作する」ことを指します。
股関節を支点に出来ないから、腰(腰椎)が支点になりケガをすることにつながります汗っ。
以下図、左がヒップヒンジをうまく使えてる例で、右がそうでない例。
じゃあどういう状態がヒップヒンジを使えているのか?
✔簡単に言うと、背中が真っすぐでお尻が後ろに引けていてハムストリングスにテンションを感じれている状態です。
もう言ってしまえば、お尻の穴を後ろの人に見せるイメージだとうまくいきます笑。
骨盤が立った状態だとお尻の穴は下を向いてますよね?
仮に背中は真っすぐでも骨盤が前傾できてないと、ハムストリングスにテンションを感じることができず、そのままだと腰が支点となりケガにつながってきます。
※参考:そんなヒップヒンジについては、以下の記事で詳しく解説してます↓

では、次にデッドリフトの必要性について。
デッドリフトは筋肥大に必要なのか【自論】
上記のように、デッドリフトは主にお尻やハムストリングスを中心に背中にも負荷がかかってくる種目。
特に動作の後半では体を起こすために脊柱起立筋(広背筋も)が強く関与。

じゃあデッドリフトはどこを狙う種目なのか?(どの日に組み込むのが良いのか?)
ここからはあくまで僕個人の意見なので、参考程度にしてもらえればとは思います。
先ほど骨格の違いによるフォームの違いでも触れましたが、仮に上半身の前傾が甘くやや上体が立ったフォームで行ってしまうといわばスクワットと大きく変わらないことになってしまいます。
(バーを下に持つか首に担ぐかの違いだけで)
ですからデッドリフトを筋トレとして取り入れるのであれば、基本的には上半身はきちんと前傾させ、いわゆる股関節をメインに動かしていく形がおススメ。
(ナロースタンスの方が個人的には意味があるかと。またスクワットと全く違う種目として扱うためにも。)
さらに言うと、そういった観点から通常のデッドリフトよりスティフレッグドデッドリフト(ルーマニアンデッドリフト)の形を取って、よりお尻やハムストリングスをメインに刺激するのが良いかなとも思います。
確かに前半でも触れたように、デッドリフトで広背筋など背中に強い負荷はかかります。
なので個人的には、デッドリフトはどちらかと言うと脚の種目かとは思います。
ですが、実際に僕がデッドリフトを行う際は背中の日に行います笑。
というのも脚の日はスティフレッグドデッドリフトをしたりしますし、スクワットやブルガリアンスクワットなども行い脊柱起立筋が疲労します。
その状態でデッドリフトをするともちろん力は発揮しにくいので汗っ。
ですからあなたのルーティンに合わせて、デッドリフトをどう扱うかを決定する必要はあります。
そこまで脚をハードに刺激しないのであれば、脚の日に入れても問題ないですし。
いずれにせよ、脚の種目か背中の種目としてどちらかを刺激する日に行うのが吉!

なんですが、スティフレッグドデッドリフトなどを脚の日に行うのであれば、別に床引きのデッドリフトを無理に行う必要もないかとは思います。
刺激の重複もありますし。
それなら床引きのデッドリフトの代わりに、バックエクステンションなどでピンポイントで脊柱起立筋を狙うのも良いと思いますし。
なので上記の内容を踏まえた上で、デッドリフトの用途を考えてみてください。
ただ、あなたが仮に筋トレ歴3年ほどであるのならば、全身の筋力をきちんと伸ばす意味で床引きのデッドリフトを優先するのがおススメではあります!
ここまでをまとめると以下のとおり↓
・デッドリフトをするならナロースタンスがおススメ
・床引きデッドリフトは脚と背中全体を狙う種目で、ピンポイントで狙う種目ではない
(そこに意味があるかと)
・脚の日にスティフレッグドデッドリフトを行うなら、無理に床引きデッドリフトを背中の日に行わなくても良いかなと?
(隔週で変えたりして、腰周りに疲労がたまり過ぎないようにすれば問題ない気も)
【まとめ】デッドリフトをやり込んで損はしない
上記の内容が、デッドリフトの基本フォームと行う際の注意点になります。
また、脚や背中を鍛える際にデッドリフトほど高重量を扱える種目はそうないので、その点デッドリフトでの刺激は侮れないかと。
力の入れ方やヒップヒンジなどもそうですが、そういった筋トレにおける基本的な体の使い方が学べるのもデッドリフト。
そんなわけで、特に理由がない限り、末永く付き合っていくのがおススメな種目ではあります。
では、終わり😉
(ここまで読んで下さりありがとうございます)
※【宣伝】:以下noteで部位別に効果的なフォームを丁寧に解説してます↓【有料】

以上【完全版】デッドリフトのフォームを徹底解説【もう腰が痛くならない】でした。
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